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葉脈をリンパの流れと回復の象徴として表現したイメージ(AI生成)

Lymphedema

ひとりひとり異なるむくみに、
その人に合う治療を。

リンパ浮腫の状態は、一人ひとり異なります。 リンパ管の機能がどれだけ残っているか、脂肪組織がどの程度増えているかによって、適した治療も変わります。

わたしは診察と画像検査をもとに、LVA(リンパ管静脈吻合)、脂肪吸引、保存療法を組み合わせて治療を設計しています。 このページでは、わたしが手術を担当する患者さんに向けて、治療の考え方と手術前後の流れをご説明します。

01
治療の決め方

治療をどのように決めるか

同じ「リンパ浮腫」という診断名でも、体の中で起きていることは人によって違います。 初期にたまっているのは主に水分ですが、時間が経つと脂肪が増え、さらに進むと組織が硬くなっていきます。 この段階の違いによって、効く治療が変わります。

そのため、はじめに診察でむくみの性状と皮膚の状態を確認し、必要に応じて画像検査を行います。 リンパの流れの型を見るICGリンパ管造影と、リンパ管や静脈の位置・太さを確認する超音波検査です。 つなぐ価値のあるリンパ管がどこに残っているかを確かめてはじめて、手術の適応と術式が決まります。

LVA、脂肪吸引、保存療法は、それぞれ役割が異なります。 流れる場所をつくる手術、増えた脂肪を減らす手術、たまるのを抑える日々のケア。 目的が違うので、一つの治療をすべての方に当てはめることはしません。

診察の結果、手術を行わないほうがよいと判断することもあります。 保存療法を続けたほうが結果的によい場合や、まず皮膚の状態を落ち着かせるべき場合があるためです。 そのときは理由をご説明します。

Surgery

主な手術

わたしが担当するのは、主にLVAと脂肪吸引の2つです。状態によっては両方を組み合わせます。

LVA(リンパ管静脈吻合)

Lymphaticovenular Anastomosis

行き場を失ったリンパ管を、すぐそばの細い静脈につないで、たまった水分の逃げ道をつくる手術です。 顕微鏡下で、直径0.3〜1mm程度の細いリンパ管と静脈をつなぎます。 数か所の小さな切開で、多くの場合は日帰り・局所麻酔で行うことができ、合併症が比較的少なく、身体への負担が小さいことも特徴です。

0.5mmのリンパ管と静脈を顕微鏡下で吻合したあとの実際の手術写真。吻合部と緑色の背景シートを部分カラーで表示
0.5mmのリンパ管と静脈を、顕微鏡下で吻合したあと。

Expected Benefits

期待される効果

  • むくみや重だるさなどの症状軽減
  • 腕や脚の周径(太さ)の減少
  • リンパ浮腫の進行予防
  • 蜂窩織炎を起こす頻度の低下

効果の程度には個人差があり、手術後も圧迫療法や経過観察が必要になる場合があります。

選択肢になりうる状態

画像検査で、つなぐことのできる機能したリンパ管と静脈が確認できる場合です。

限界

すべてが治る手術ではありません。進行してリンパ管が硬くなっている場合、効果が出にくくなります。効果の判定にも数か月かかります。

主なリスク・合併症

  • 期待した効果が得られない
  • つないだ部分が時間とともに詰まる
  • 感染、傷あと、リンパ漏

手術後も、圧迫療法の継続と定期的な経過観察が必要になる場合があります。

LVAは保険診療です。

脂肪吸引

Liposuction for Lymphedema

長く経過したリンパ浮腫では、増えているのが水分ではなく脂肪であることがあります。 この段階では、脂肪そのものを取り除くことで太さを減らします。 残っているリンパ管を傷めないよう、吸引する層と方向を選んで行います。

選択肢になりうる状態

むくみが脂肪主体で、押してもへこみにくく、日常生活に支障が出ている場合です。

限界

リンパ管の機能そのものが戻る手術ではありません。術後に圧迫を続けないと元に戻ります。この点は手術前に必ず確認させていただきます。

主なリスク・合併症

  • 感覚の変化、皮膚の凹凸
  • 出血・血腫、感染
  • 圧迫を中断した場合の再増悪

手術後は、圧迫療法の継続が前提の治療です。期間や強さは経過を見ながらご相談します。

リンパ浮腫に対する脂肪吸引は自費診療です。

乳房再建を受けた方の左右差やへこみに対する脂肪吸引・脂肪注入は、リンパ浮腫の治療とは目的の異なる手術です。 乳房再建のページでご説明しています。

Flow

手術前から術後まで

施設によって細部は異なりますが、おおよそ次の流れになります。

01

診察。これまでの治療歴と経過をうかがい、むくみの状態と皮膚を確認します。お使いの弾性着衣も拝見します。

02

必要な検査を行い、手術の適応を判断します。ICGリンパ管造影と超音波検査で、使えるリンパ管がどこにあるかを確認します。

03

手術の内容、期待できること、限界、リスクをご説明します。その場でお決めいただく必要はありません。

04

手術。麻酔の方法や所要時間は術式と施設によって異なるため、事前に個別にご案内します。

05

術後の圧迫、創部の管理、経過観察。圧迫を再開する時期もこの段階でお伝えします。

06

担当施設でのフォロー。むくみの変化は数か月単位で評価するため、継続して経過を拝見します。

02
知ってほしいこと

手術を検討する方に、
知っておいていただきたいこと

手術によってどの程度よくなるかには、個人差があります。 太さが目に見えて減る方もいれば、変化はわずかで、重だるさが軽くなったと感じる程度の方もいます。 手術前の検査である程度は予測しますが、確実ではありません。

また、手術だけでリンパ浮腫が完全に解消するとは限りません。 圧迫療法や運動、スキンケアを、手術後も続けていただく場合があります。 手術はこれらの負担を軽くしたり、進行を抑えたりするためのもので、日々のケアの代わりになるものではありません。

状態によっては、手術より先に別の治療を優先することがあります。 皮膚の感染をくり返している場合や、圧迫療法がまだ十分に行われていない場合などです。

わたしが最も大切にしているのは、手術の前に、期待できることと期待できないことをすり合わせておくことです。 結果に納得していただくうえで、これが一番大切だと考えています。 気になることは、遠慮なく手術前にお尋ねください。

Clinics

診療施設と連絡方法

担当する内容は施設によって異なります。すでにご案内を受けている方は、下記をご確認ください。

川端医院

リンパ浮腫の評価、地域での診療・フォロー
〒650-0022 神戸市中央区元町通3-1-20 元町MKビル2階
TEL 078-321-3412

川端医院 リンパ浮腫外来 →

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